糖尿病治療薬:薬効ごとのまとめ

P3)糖尿病治療薬一覧(糖尿病治療ガイド2014-2015)
・ビグアナイド薬:肝臓での糖新生の抑制
・チアゾリジン薬:骨格筋・肝臓でのインスリン感受性の改善
・スルホニル尿素薬(SU薬):インスリン分泌の促進
・グリニド薬:より速やかなインスリン分泌の促進・食後高血糖の改善
・DPP-4阻害薬:血糖依存性のインスリン分泌の促進とグルカゴン分泌抑制
・α-グルコシダーゼ阻害薬(α-GI):炭水化物の吸収遅延・食後高血糖の改善
・SGLT2阻害薬:腎での再吸収阻害による尿中ブドウ糖排泄促進P4)糖尿病治療薬アルゴリズム
2018年 米国、欧州糖尿病学会の2型糖尿病治療の合同レポート

P6)ビグアナイド薬
・作用機序:インスリン分泌促進作用はなく、肝臓からの糖放出抑制、末梢での糖取り込みの促進、消化管からの糖吸収抑制により血糖を降下させる。
・特徴:欧米では、肥満のある場合の第一選択薬で、2型DMの診断時または早期からのメトホルミンの使用が推奨されている。
・腎機能:eGFR<30は禁忌。30<eGFR<45は慎重投与。
2020年3月にヨード造影剤との併用に関するレコメンデーションが更新され、腎機能が保たれている患者の休薬制限が緩和された。2021年5月現在は「eGFRが30~60の患者では、ヨード造影剤投与後48hはメトホルミンを再開せず、腎機能の悪化が懸念される場合にはeGFRを測定し腎機能を評価した後に再開する」となっている。
・副作用:乳酸アシドーシス(9.6〜16.2人/10万人)

P7)メトホルミン
・多くの国の学会で、糖尿病治療の第一選択薬として推奨されている。
・維持量750〜1500mg/日、最高投与量2250mg/日が認められた国内で唯一のメトホルミン製剤。
・本薬剤とDPP-4阻害薬との合剤(エクメット、メトアナ、イニシンク)がある。
・eGFR≧60で2250mg/日、60>eGFR≧45で1500mg/日、45>eGFR≧30で750mg/日を最高用量、eGFR<30で中止とする。
・心疾患や慢性腎不全、慢性肺疾患、高齢者などは乳酸アシドーシスの危険因子となる。脱水、アルコール多飲などの乳酸アシドーシスのリスクがある場合は投与しない。

P9)SGLT2阻害薬
・作用機序:SGLT2を阻害し、尿として糖や水分を排泄し血糖値を下げる。
・特徴:糖尿病を合併した心不全に、利尿作用があるSGLT2阻害薬がエビデンスを蓄積しており、推奨されている。
・腎機能:腎症の進行及び心血管イベントのリスク低減のために、「eGFR≧30で、アルブミン尿>300mgを超える糖尿病腎症の2型DM」では、SGLT2阻害薬の使用を検討する。
・副作用:浸透圧利尿により、脱水を来たす恐れがあるので、口渇感を感じにくい高齢者では注意。

P10)フォシーガ・ジャディアンス・デベルザ
フォシーガ
・2020年11月、慢性心不全の適応が追加された(2型DM合併の有無に関わらず左室駆出率の低下した心不全を対象とした第Ⅲ層DAPA-HF試験の結果に基づく)。
・他のSGLT2阻害薬(朝食前または朝食後投与)と異なり食事の影響を受けないことから食前・食後のいずれでも投与可能。
・1型糖尿病にも使用可能(フォシーガとスーグラのみ)。糖尿病:1日1回5mg。1日1回10mgまで増量可。慢性心不全:1日1回10mg。
・2021年8月、慢性腎臓病の適応が追加された(2型DM合併の有無に関わらずCKD患者を対象とした第Ⅲ層DAPA-CKD試験の結果に基づく)。
・腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。

ジャディアンス
・米国では、動脈硬化性心血管疾患を有する2型DMへの投与が推奨されている。
・DPP-4阻害薬との配合剤(トラディアンス配合錠)がある。
・慢性心不全の適応申請中(2021年8月時点で未承認)。
・腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。
・EMPEROR-Preserved試験で左室駆出率の保たれた心不全患者を対象とした臨床試験で入院などの複合リスクの低下が認められた。

デベルザ
・SGLT1と比較してSGLT2を高選択的に阻害するため安全性に優れている。
・半減期が約5時間と他剤と比べて短いため、夜間頻尿や、それに伴う不眠が起こりにくいと言われている。
・1日1回20mgを投与。用量調節ができない。
・SGLT2選択性が2900倍と非常に高い
・腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。

P11)カナグル・スーグラ・ルセフィ
カナグル
SGLT2だけではなくSGLT1も阻害し(SGLT2低選択性)、健常者に用いた研究では糖質吸収を遅らせる。
DPP-4阻害薬との配合剤(カナリア配合錠)がある。
用量調節ができない。
腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。

スーグラ
1型糖尿病にも使用可能(フォシーガとスーグラのみ)。
肝機能が低下している場合などに対する低用量規格(25mg錠)もある。
DPP-4阻害薬との配合剤(スージャヌ配合錠)がある。
高齢者に使用する場合は脱水や尿路・性器感染症、低栄養やサルコペニアなどに注意し慎重に投与する。
腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。

ルセフィ
通常1日1回2.5mgを投与し、効果不十分な場合は1日5mgまで増量可。
アレルギー性疾患治療薬の、ルパフィンとの取り違えに注意。
高齢者に使用する場合は脱水や尿路・性器感染症、低栄養やサルコペニアなどに注意し慎重に投与する。
腎機能低下例では糸球体濾過率が低下しているため効果が減弱するため、腎不全、透析例には使用しない。

P13)GLP-1受容体作動薬
作用機序
膵臓のGLP-1受容体に働き、GLP-1と同じような作用を表し、GLP-1受容体を活性化させインスリン分泌を促することで、血糖値を下げる。

副作用
開始時に吐き気、便秘、下痢などの消化器症状が現れることがある。多くの場合、しばらくするとおさまる。

注意点
GLP-1受容体作動薬はインスリンの代替にはならない。インスリン分泌が不足している1型DMの場合には使用できない。
SU薬と併用する場合は低血糖に注意し、可能な限り自己血糖測定を行う。
美容、ダイエット目的で使用しないよう指導する。

P14)GLP-1受容体作動薬:ビクトーザ・ビデュリオン・リキスミア
ビクトーザ
1日1回投与する自己注射剤。
本剤の成分とトレシーバの成分の配合剤(ゾルトファイ配合注)がある。
DPP-4阻害薬以外と併用可。
投与初期に消化器症状の副作用が出現しやすいため1回0.3mgから開始し1週間以上の間隔を空けて0.3mgずつ増量する。最大1.8mg/日まで可である。
半減期は14-15時間と他の1日1回製剤よりも長い。

ビデュリオン
世界初の週1回投与する自己注射剤。
インスリン、DPP-4阻害薬、グリニド薬、α-GIとの併用不可。
Ccr<30の重度腎機能障害例には禁忌。血中濃度上昇に伴い消化器症状が出やすくなるため。
SU薬、ビグアナイド系薬剤、チアゾリジン系薬剤のいずれか、もしくは併用下で使用可能である。
注射前に薬剤を混和する必要があり、80回以上ペンの先を手のひらにタップする。

リキスミア
1日1回投与する自己注射剤。
本剤の成分とインスリングラルギン(ランタスなどの成分)の配合剤(ソリクア配合注)がある。
DPP-4阻害薬以外と併用可。
朝食前1時間以内に投与し、食後の投与は行わないように指導する。
10μgから開始し、1週間以上投与した後に15μgに増量する。さらに1週間以上投与した後に20μgに増量する。

トルリシティ
週1回投与する自己注射剤。
注射部位に当てて、「本体上部のボタン」を押すだけで、注入が容易。
DPP-4阻害薬以外と併用可。
腎機能低下・透析中でも同一用量で使用可能。
国内単独療法第Ⅲ相試験では単独での有意な体重減少はみられなかった。

オゼンピック
週1回投与する自己注射剤。
注射部位に当てて、「本体」を押すだけで、注入が容易。
DPP-4阻害薬以外と併用可。
開始時は0.25mg/日で開始し、4週間以上投与した後に、0.5mg/日に増量する。患者の状態に応じ適宜増減し、0.5mg/日を4週間以上投与しても効果不十分であれば1mg/日に増量することもできる。
12週間で3kgほどの体重減少効果があるほか、その後も体重減少が続くデータもあり体重減少効果は強い。

リベルサス
1日1回投与の経口GLP-1受容体作動薬。
吸収促進剤の含有により、胃での薬剤成分の吸収を高め経口投与を可能にした。
本剤の吸収は胃の内容物により低下するため、空腹時(1日のうちの最初の食事又は飲水の前)に内服。服用時及び服用後少なくとも30分は、飲食及び他の薬剤の経口摂取を避ける。
2021年12月に長期処方解禁となるためそれまでは投薬期間14日の制限あり(2021年9月時点)
開始時は3mg/日で開始し、4週間以上投与した後に、7mg/日に増量する。患者の状態に応じ適宜増減し、7mg/日を4週間以上投与しても効果不十分であれば14mg/日に増量することもできる。ただし、その場合に7mgを2錠投与することは避ける。

P16)α-グルコシダーゼ阻害薬
作用機序
α-グルコシダーゼを阻害することで、腸での糖の消化吸収を遅らせて食後の過血糖を改善し、糖尿病での合併症の進行を抑える。

特徴
空腹時血糖は、それほど高くなく、食後高血糖になる軽症2型DMには単独使用される。また、SU剤やインスリン治療患者でも食後高血糖が著しい例では、α-GIの併用により血糖コントロールが改善する。

副作用
開始時には、腹痛・腹部膨満感・便秘・下痢・放屁の増加などの腹部症状を自覚することが多いので、最初は1日1〜2回少量から開始して、漸増していく。

注意点
食直前(食事前10分以内)に服用する。服用を忘れた場合は、食事開始15分後くらいまでなら血糖上昇抑制効果は期待できる。

P17)α-グルコシダーゼ阻害薬:ベイスン・グルコバイ・セイブル
ベイスン
ボグリボース製剤。他のα-GIと異なり、2型糖尿病の予防目的として投薬する際に、耐糖能異常に対して保険適応が認められている(0.2mg錠のみ)。
副作用予防を考慮して用量が設定されているため、比較的、消化器症状が出にくい。
本剤の成分(ボグリボース)とグリニド系薬との配合剤(グルベス配合錠)がある。
服用中の腹部膨満、鼓腸、放屁などは1-2週間ほど時間が経つと消失することが多い。

グルコバイ
アカルボース製剤。
α-グルコシダーゼに加えてα-アミラーゼに対する阻害作用も有しているため、血糖改善作用の効果も強いが、消化器症状などの副作用(腹部膨満感・放屁など)も多い。
海外では心血管イベント抑制効果報告がある。

セイブル
ミグリトール製剤。
小腸上部でほぼ半量が吸収される唯一の吸収型α-GIで、食後2時間値よりも1時間値の上昇をより抑制する(他のα-GIは食後2時間値の上昇をより抑制する)。
下痢の発生頻度が18.3%と他のα-GIに比べて高い頻度で報告されている→ラクトース(乳糖)の分解阻害が原因なので、乳製品の過剰摂取を避けるように指導することが望ましい。

P19)DPP-4阻害薬
作用機序
GLP-1を分解するDPP-4という酵素を阻害しGLP-1の作用を増強し、インスリン分泌を促進して血糖値を下げる。

特徴
単剤治療での低血糖リスクが低い。治療に伴う体重増加が見られない。

その他
SU剤と併用した際には低血糖のリスクがあるため注意。
DPP-4阻害薬を用いても十分な血糖コントロールが得られない時は、長時間にわたって作用し、空腹時血糖も食後血糖も下げるGLP-1受容体作動薬(トルリシティ、オゼンピックなど)への切り替えを検討しても良い。インスリン分泌が不足している1型DMの場合には使用できない。

P20)DPP-4阻害薬:ジャヌビア・エクア・ネシーナ
ジャヌビア
腎機能の影響を受けやすいので、腎機能低下患者の場合は減量するなど調整が必要。
国内初のDPP-4阻害剤。販売元の製薬会社が異なるがグラクティブと同じ薬剤である。
単独療法で、プラセボと比較して約1.0%のHbA1c値低下作用が認められた。
SGLT2阻害薬(イプラグリフロジン)との配合剤(スージャヌ配合錠)がある。

エクア
肝機能の影響を受けやすいので、原則として重度の肝機能障害がある患者へは使用しない。
1日2回投与。
ビグアナイド薬(メトホルミン)との配合剤(エクメット配合錠)がある。

ネシーナ
ビグアナイド薬(メトホルミン)との配合剤(イニシンク配合錠)がある。
チアゾリジン薬(ピオグリタゾン)との配合剤(リオベル配合錠)がある。

P21)DPP-4阻害薬:テネリア・スイニー・オングリザ
テネリア
肝臓・腎臓より2ルートで消失するため、腎機能低下・透析中でも投与量を調節することなく使用できる。
SGLT2阻害薬(カナグル)との配合剤(カナリア配合錠)がある。
血中半減期が長い。

スイニー
肝臓での代謝をほとんど受けないことから、肝機能障害例でも投与によるリスクが少ないなどのメリットが考えられる。
通常、成人には100mgを1日2回投与する。
LDL低下作用がある。実際の試験ではスタチン製剤使用中の患者で低下作用が認められた

オングリザ
1日1回5mg単独療法により、HbA1cが低下する(用量反応試験において、12週時のHbA1cのベースラインからの変化量は-0.90%)。

P22)DPP-4阻害薬:トラゼンタ・マリゼブ・ザファテック
トラゼンタ
胆汁排泄型のため、腎機能障害や肝機能障害例でも投与量を調節することなく使用できる。
"SGLT2阻害薬(ジャディアンス)との配合剤(ジャディアンス配合錠AP,BP)がある
トラゼンタ5 mg 1日1回12週間投与により、HbA1cはプラセボに比し0.9%の有意な低下を示した。"
半減期が105時間と長い。

マリゼブ
週に1回服用するタイプの薬剤。
"週1回25mgを経口投与。
腎機能低下(eGFR<30)時には週1回12.5mg。"
週1回25mgを12週間投与した場合、最終投与1週間後のDPP-4阻害率は82.6%。ジャヌビアに対して非劣性。
単剤投与であれば低血糖リスクは低い。

ザファテック
世界初、週1回投与の経口血糖降下薬。
週1回100mgを経口投与。30≦eGFR<50時には週1回50mg。eGFR<30時には週1回25mg。
連続投与の場合、最終投与1週間後にも80%近いDPP-4阻害効果を有する。ネシーナに対して非劣性。
単剤投与であれば低血糖リスクは低い。

P24)チアゾリジン薬
作用機序
インスリンの抵抗性を改善することで、糖の取込・利用の改善、肝臓での糖放出を抑制し血糖値を改善する。

副作用
浮腫・体重増加(水・Na貯留作用による。特に女性で傾向が強い)。

注意点
心不全及び心不全の既往のある患者には禁忌。膀胱癌治療中の患者へは投与しない。

P25)チアゾリジン薬:アクトス
浮腫、体重増加の副作用があるため、心不全、もしくはその既往歴のある人には用いない。
膀胱癌の発生リスクが増加する可能性が完全には否定できないので、膀胱癌治療中の患者には投与を避ける。
最大45mg/日まで。
"ビグアナイド系薬との配合剤(メタクト配合錠)がある。
DPP-4阻害薬との配合剤(リオベル配合錠)がある。
SU剤との配合剤(ソニアス配合錠)がある。"
女性で骨粗しょう症リスクが上がるという報告がある。

P26)SU薬
作用機序
膵臓β細胞のSU受容体に結合し、膵臓からのインスリン分泌を促し血糖値を下げる。

特徴
作用時間が短く、食後の血糖値が高い患者に適している。内因性インスリン分泌能が残っている症例が適応。1型DMや膵疾患に伴うDMなどでは無効。
第1世代〜第3世代まである。
第1世代:最近ではあまり用いられない。
第2世代(オイグルコン、ダオニール):インスリン分泌促進作用が非常に強力なので、低血糖に注意
第3世代(アマリール):急激な低血糖リスクは比較的低く、空腹感も少ない。

注意点
低血糖。特に肝腎機能低下例、高齢者に注意。
長期使用で効果減弱のおそれあり。

P28)SU薬:グリミクロン・オイグルコン・アマリール
グリミクロン
第二世代SU薬。
血小板機能抑制作用をもつので、他のSU剤と比較して網膜症を防ぐ効果が高い。
作用持続時間6~12hと、他のSU剤と比較して短い。
【重大な副作用】低血糖、無顆粒球症、肝機能障害、黄疸。

オイグルコン
第二世代SU薬。
"SU剤の中で最も強力。その分、最も低血糖リスクが高い(アマリール:1.44%
グリミクロン:1.9%、オイグルコン:2.5%)。"
米国や欧州糖尿病学会のガイドラインでは、低血糖リスクの観点から、通常は作用が強力なオイグルコン以外のSU剤を使うことを推奨している。
【重大な副作用】低血糖、無顆粒球症、溶血性貧血、肝炎、肝機能障害、黄疸。

アマリール
第三世代SU薬。
インスリン抵抗性改善作用もあるため、インスリン分泌促進作用はオイグルコンやグリミクロンより弱いにも関わらず、血糖降下作用は強い。
チアゾリジン系薬(アクトス)との配合剤(ソニアス配合錠)がある。
【重大な副作用】低血糖、溶血性貧血、無顆粒球症、汎血球減少、肝機能障害及び黄疸、類薬で再生不良性貧血。
SU薬使用歴が長いと二次無効といわれるケースがみられる。

P29)グリニド薬
作用機序
SU剤と同様に、膵臓のβ細胞の受容体に結合して初期インスリン分泌を促進して、血糖値を下げる。

特徴
食後の高血糖を抑制することが目的の薬剤であり、空腹時血糖が高い症例は適応とならない。
食後の血糖値を下げる薬なので、食事をしない時は、本剤を服用してはいけないことを患者に指導。
【シックデイの時の対応目安 】
食事量が半分以上:薬量通常通り
食事量半分程度:薬量半分
食事量少量以下:中止

注意点
各グリニド共に基本的にSU薬と同様の作用機序であり、従来のSU薬との併用や、SU薬から切り替えても有効性は発揮できないことに注意する。

P30)グリニド薬:グルファスト・スターシス・シュアポスト
グルファスト
肝臓及び腎臓で代謝される。 腎機能障害のある患者には慎重投与。
一般的にはスターシス、ファスティックよりも血糖を下げる作用がやや高いとされている。2004年発売。
α-GIとの配合剤(グルベス配合錠)がある。2011年発売。

スターシス
腎排泄型なので、透析を必要とする重篤な腎機能障害に禁忌。
国内初のグリニド系薬。1999年発売。
食後の服用では効果が減弱することが分かっており、食前の服用が重要。逆に20~30分前の服用では、低血糖の可能性がある。

シュアポスト
胆汁排泄型なので、腎機能障害・透析でも投与可能。「重度の」腎機能障害・透析例には慎重投与。 重度の肝機能障害のある患者には低用量(1回0.125mg)から投与を開始するなど、慎重投与。
スターシス、ファスティックと比較して効果が長く持続する。
食後血糖だけでなく空腹時血糖も下げるので、空腹時の低血糖が起きることがある。