[睡眠薬] オレキシン受容体拮抗薬のデエビゴ、ベルソムラが上位

イシヤクにおける2022年4月~6月の薬剤検索数を集計した。最も新しい作用機序であるオレキシン受容体拮抗薬のレンボレキサント(デエビゴ®)、スボレキサント(ベルソムラ®)が上位。オレキシン受容体拮抗薬は依存性のリスクが極めて低いとされており、自然な眠気を促す効果が期待されているため医療現場での利用が増えている薬剤となっている。次点で、超短時間型の非BZD系睡眠薬であるゾルピデム酒石酸塩(マイスリー®)、エスゾピクロン(ルネスタ®)が名を連ねている。

 

なお、9位以下は

  • トリアゾラム(ハルシオン®) 4.9%
  • ゾピクロン(アモバン®) 3.7%
  • ニトラゼパム(ベンザリン®) 2.4%
  • エスタゾラム(ユーロジン®) 1.8%
  • リルマザホン塩酸塩水和物(リスミー®) 1.5%
  • クアゼパム(ドラール®) 0.6%
  • メラトニン(メラトベル®) 0.6% 

 

[集計対象] ユーザー:イシヤクを利用している医師
期間  :2022年4月~6月
対象薬効:BZD系睡眠薬, 非BZD系睡眠薬, バルビツール酸系睡眠薬, メラトニン受容体作動薬,オレキシン受容体拮抗薬,その他の睡眠薬
※集計結果が0.6%未満のものは記載しない


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睡眠薬検索ランキング上位薬剤に関する専門医コメント

レンボレキサント(デエビゴ®)
デエビゴは、耐性と依存性のリスクが極めて低い薬剤である。デエビゴは、睡眠に強く関与すると考えられてているオレキシン2受容体の阻害が強く、ベルソムラより睡眠効果が強いと想定されている。(精神科医 メントス)


スボレキサント(ベルソムラ®)
ベルソムラは耐性と依存性のリスクが極めて低い薬剤である。またBDZ系睡眠薬で頻繁な高齢者のせん妄が起こりにくいという特徴がある。現在は、不眠症の第一選択薬はオレキシン受容体拮抗薬となっている。(精神科医 メントス)


ゾルピデム塩酸塩(マイスリー®)
ω1受容体に選択的に結合するため、筋弛緩作用が弱くふらつきや転倒などへのリスクがより少ないと言われている。また退薬症候群や反跳性不眠は起こりにくいとされてはいるものの、実際には起こりうるので減薬の際には注意を要する。(精神科医 メントス)


エスゾピクロン(ルネスタ®)
アモバンはR異性体とS異性体の混合体だが、ルネスタは薬理活性の大きいS異性体のみを取り出した薬剤で、アモバンの改良版として知られている。翌朝以降に出現する口腔内の苦みは3%程であり、アモバン(4%)よりやや少ない。アドヒアランス向上の観点からも、処方前に説明することが望ましい。(精神科医 メントス)


ブロチゾラム(レンドルミン
®
入眠困難を訴える不眠症には効果的である。半錠でも十分な効果が得られる場合もある。翌日への持ち込し効果も少ないため高齢者にも比較的用いやすい。(精神科医 メントス)


メラトニン(メラトベル
®)
小児期の神経発達症の睡眠障害の原因に、夜間の松果体からのメラトニン分泌の低下が挙げられており、メラトベルはその改善に効果が期待できる。安全な薬剤であるが、重要な潜在的リスクとして性成熟/発達遅延(思春期遅発)が懸念されていることに留意する。(精神科医 メントス)


ラメルテオン(ロゼレム
®
BZD系睡眠薬と異なり、依存や退薬症候群を引き起こさないのが最大の特徴である。しかし、催眠作用は弱く、基本的には、睡眠覚醒リズム障害や高齢者の不眠などに用いられ、重い不眠症の改善効果には不十分である。(精神科医 メントス)


フルニトラゼパム(サイレース
®
即効性が期待でき、効果が強力で、切り札的に使われるBZD系睡眠薬である。その反面、離脱症状や反跳性不眠がみられやすい。アメリカやカナダなどの国では持ち込み禁止薬物として指定されている。また、向精神薬は、日本からの出国に際して国内から持ち出せる量や海外から持ち込める量にも制限がある。(精神科医 メントス)

 

 

 

睡眠薬の処方に関するアンケート

第1位のレンボレキサント(デエビゴ®を処方する理由
・依存性が、BZ系と比較して少ない点(40代開業医、消化器内科)
オレキシン受容体拮抗薬ではベルソムラより効きが良い印象。(40代開業医、総合内科)
・依存性が少ないため。効果がはやいため(60代、糖尿病・内分泌代謝内科)
・デエビゴは非ベンゾで現在推奨されているため。(30代、一般外科)


第2位のスボレキサント(ベルソムラ®
を処方する理由
ベンゾではない。処方分を増量して飲んでもらう(自己調節の)指示が可能(30代病院勤務医、緩和ケア科)
・副作用の少なさ、依存性の低さ、長期使用の安全性(50代診療所勤務医、循環器内科)
・より生理的な薬だから(50代、脳神経外科)


第3位のゾルピデム酒石酸塩(マイスリー®
を処方する理由
ずっとマイスリーを服用している方は効きの点でマイスリー服用される。(50代、精神科)
・患者さんが使い慣れていてかつ期待する効能が得られているため(60代、皮膚科)


第5位のレンドルミン(ブロチゾラム®
を処方する理由
・効果の確かな薬剤の中では、中間的な安全性があると思う(40代病院勤務医、精神科)


第7位のラメルテオン(ロゼレム®
を処方する理由
・高齢者に投薬しやすい(60代開業医、総合内科)
・概日リズムを整えるところから始めたいので(30代、救急科・集中治療科)

 

睡眠薬の処方に関するアンケートを実施しています。
1分程度で終わりますので、ぜひご回答いただけますと幸いです。