研修医・専攻医のための医学英語 基礎編2:医学英語のアクセントに注意

研修医・専攻医のための医学英語 基礎編2:医学英語のアクセントに注意

医学英語を身につければ、仕事の場は世界に広がります。研修医と専攻医の先生には、医学英語をしっかり学んでいただきたいものです。前回は医学英語の略語を使いこなすことに重点をおいてお話をしました。今回は基礎編の第2回として、医学英単語のアクセントに注目しましょう。私の経験も参考にしていただけると幸いです。

アクセントは発音と同じくらい重要であり、発音より修正は簡単
医学英語をきちんと発音できても、アクセントが間違っていれば通じません。いまだに私が鮮明に覚えているのは、アメリカ人の患者に病室で説明している時のことです。

術後の発熱を、感染症ではなく術後の炎症反応であると説明していました。inflammatoryという単語を何度もゆっくり発音しても通じなくて、親切な病棟看護師が正しいアクセントを教えてくれた、というありがたい出来事がありました。その出来事をきっかけに、私はアクセントを意識するようになったのです。

北米研修医の発音だけではなくアクセントにも耳を澄ますようになり、自分が間違っていると気づいたアクセントは、その都度ノートに書き留める習慣をつけました。その過程で得た気づきは、自分のアクセントを直すことは自分の発音を直すことよりもずっと簡単だということです。正しい発音は一朝一夕で身に付くものではありませんが、アクセントを直すことは難しくありません。

アクセントには規則性がある
同系統の単語はアクセントも共通していることを強調したいと思います。まず、診療科や部門の名称のアクセントは、~logyのひとつ前に置かれます。
・hematology(血液内科)
・nephrology(腎臓内科)
・pathology(病理)

次に「切除」を表す単語も、以下のように~ctomyのひとつ前にアクセントが置かれます。
・gastrectomy(胃切除術)
・colectomy(結腸切除術)
・hepatectomy(肝切除術)

同様に、内腔と体表をつなぐ処置を意味する単語も、アクセントは~stomyのひとつ前に置かれます。
・tracheostomy(気管切開 )
・gastrostomy(胃瘻)
・colostomy(人工肛門)

さらに、内視鏡系の用語も同様に、アクセントは~scopyのひとつ前に置かれます。
・laparoscopy(腹腔鏡)
・gastroscopy(胃内視鏡)
・colonoscopy(大腸内視鏡)

略語のアクセントは、すべて最後の音節に置かれるので覚えておきましょう。
・EGD(esophagogastroduodenoscopy〔上部消化管内視鏡〕)
・UCO(uninary catheter out〔尿道カテーテル抜去〕)
・SOB(shortness of breath〔息切れ〕)

第1音節にアクセントがある単語は要注意
最初の音節にアクセントがある単語は覚えにくいようです。例えば、以下の単語はすべて第1音節にアクセントが置かれるので意識して覚えましょう。
・fistula(瘻孔)
enema(浣腸)
・nodule(腫瘤)
accuracy(正確さ)
interval(間隔)

日本人医師のアクセントをまねることは危険

日本人医師の中には、ラテン系言語のアクセントを引きずって発音している人が散見されますが、英語ではアクセントの傾向が異なります。ラテン語系の言語では、最後の音節にアクセントが置かれることが多いですが、英語では最後の音節にアクセントが置かれるのはまれです。

以下に、比較的よく見られる間違ったアクセントと正しいアクセントを挙げます。
・atelectasis(〔誤〕アテレクターシス〔正〕アテクターシス)
・metastasis(〔誤〕メタスターシス〔正〕メスターシス)
・biopsy(〔誤〕バイプシー〔正〕バイオプシー)

医学英単語を覚えるときは正しいアクセントにも気を配ろう
医学英単語を覚えるときは、正しいアクセントにも気を配って覚えましょう。アクセントにはある程度規則性があり、覚えていくうちに自分でも規則性に気づくと思います。特に第1音節にアクセントが来る単語は、何度も口にして身に付けることが必要です。

執筆:白浜町胸部外科医